2016年の作品。
監督:森義隆
松山ケンイチと東出昌大の対決が非常に面白かった。
村山聖という、伝説の棋士の物語。
大崎 善生作のノンフィクションを基にしたフィクション。
「3月のライオン」という、いま公開している映画で、主人公のライバルで親友でもある二階堂晴信というキャラクターがいるのだが、それもこのひとをモデルにしている。
3月〜を観る前にぜひ、観ておきたかった。ということで、昨日は平日の真昼間というのに、お客さん多かった。
なんだか最近映画館がいつでも混んでるような気がする。
手堅い人たちが脇を固めている。
竹下景子、筒井道隆、というベテラン俳優が表に出すぎず、しっとりと情愛を醸し出す。
とくに病を宣告されるシーンの竹下景子が印象的だった。
お医者さんの非難になすすべもないお母さん。
お医者さんは、なんであんな言い方するんだろう。 ひどい、と、そこで聖の家族に対しての共感が生まれる。
映画ではこの共感というのが、大事で。
まあ、そういう類ではない映画ももちろんたくさんあるし、大好きではあるが、ちょっと置いといて。
共感ができると、その映画にのめり込める。
終わりまでずっと主人公の喜びや苦しみを共に味わいながら観ていける。観終わったあとの、満ち足りたような、つくり手の人々への感謝の気持ち。
そういうものを、聖の青春で味あわせていただいた。
興行的にどうだったのかは知らないが、観てよかった。
東出昌大は「あなたのことはそれほど」の怪演ぶりが話題だが、この作品中の羽生善治役はたいしたもの。
「桐島部活やめるってよ」以来ずっと売れている。すごい人。
松山ケンイチとふたりで、お酒を飲むシーンが素晴らしい。ネタバレになってしまうので、書けないけど、ほんとはとても書いてしまいたい。最も好きなシーン。
さて来週は3月のライオンと、シネマヴェーラの石井輝男監督特集にいきたいものだなあ。
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