2019年6月23日日曜日

*エル・スール*こちらも、ビクトル・エリセ監督作品

「ミツバチのささやき」と併映。
1983年、ビクトル・エリセ監督

エル・スールはミツバチのささやきより、長い時間が作品の中に流れている。主人公の女の子は初め8歳。その後、15歳。
2人の女の子が演じている。
なんだかこの女の子たち、違和感がまったくなくて、同じ女の子かと思ってしまった。

ここにも出てくるミラグロス!
監督の家にいたお手伝いさんの名前なのかな。
こちらのミラグロスは、ミツバチのミラグロスよりも存在感がかなり強い。 名前も設定も2作品に共通って、なんだか、噺家の羽織のようだ。 

ウィキペディアに、監督が撮ったのは3時間、公開時は90分となって、後半が削られた、とあった。そうなると、完全版というものがいつか出たりするだろうか。
後半、面白いのかな。
あそこまでで、話としては完結しているようにも思えるが、え、そこで終わっちゃうの?というようにも若干感じる。
さらに欲張りなことをいえば、後半も映像が美しいんでしょう、だったら、観せてもらないかなあ、である。

*ミツバチのささやき*ちょっと前に観た

この映画、初めて観た。
なんとなく見逃して、現在に到る。
やっと鑑賞できて漸くすっきり。

スペインの映画。
スペインというと、つい、♪スペインでは雨は主に広野に降る、を思い出してしまうが、それは置いとこ^^;

1973年、ビクトル・エリセ監督作品。
とても寡作で、この映画を含めて長編は3本しか撮っていないとか。
無口な映画を寡黙な監督が撮ったのが、この作品。
資金やタイミングはもちろんだが、やはり、この緻密さと流れるような映像へのこだわりだと、ひとつ完成させるのに相当エネルギーが必要かと、、、そのためか、撮影監督のルイス・カドラードはこの作品の撮影中に失明したとある。さぞ無念だったのではないか。 

優しく傷つきやすいアナと、お姉さんのイサベル。
イサベルはいつもアナをからかっている。時折悪質なくらい。
アナはちゃんと大人になれたろうか。
アナのお父さんとお母さんは仲良くなれたかな。
スペイン政府への批判が比喩的に盛り込まれているらしいが、あまりそうしたことは考えず、画面の美しさ、丹念に描かれる出会いと別れを追うことに専念した。
ミラグロスって、監督の鍵かな?

2019年6月4日火曜日

*ザ・バニシング-消失-*やはり恐ろしい

怖いよ、ほんとに。
もう観たくない。
だって、怖かったんだもん。

1988年、オランダ・フランス
監督、脚本:ジョルジュ・シュルイツァー
失踪 という名のタイトルで同監督によるリメイク版もあり。
ちらっとネットで覗いたら、リメイクのほうが、私には向きそう。
ヒッチコック大好き、サイコ大好きな人にはたまらないかも。
いえ、ヒッチ嫌いじゃないし、サイコは傑作だけど。
でも、いつも、こういうのが観たいわけじゃないし、、、
ということで、タイプとしては苦手だけど、映画自体の出来は、他の作品とは全く違う。2回観たくはないけど、ときどき思い出してしまう、間違いなくそうなる。凄い作品だし、なかなか日本で公開されなかったのも、理解できる。つまり、この映画を公開するにあたって、ずっと邪魔が入っていたというのは、まだ日本が恐れに対して謙虚だったってことかもしれない。って、なんだか一気に飛ばしてしまった。

いやあ、まあ、キネカ大森にて鑑賞。
キネカさん、どうしちゃったの?
あの、お客に対する嫌がらせとも取れる、予告編時に大音量で流れてくる政党CMは何?
テアトル系は結構流しているようだ。お子様向けでも平然と。
しばらく、テアトルと東急は足を向けたくないなあ。
片桐はいりさんには、申し訳ないけどm(_ _)m