2017年10月18日水曜日

■ダンケルク■ぐさっと!濃密なノーラン監督との時間

密。まるで、ノーラン監督とふたりっきりでいるような。
言葉のない会話を続けているような。
海のザブン、ちくたくちくたく、鼓動。

2017年、イギリス、アメリカ、オランダ、フランス合作

セリフが極端に少ない。
主人公的な役割を担うフィン・ホワイトヘッドは全体で5分も喋っていない。

マット・デイモン系の顔、ノーラン様はお嫌いなのだろうか? それとも好きなのだろうか?
ハリー・スタイルズ、ちょっと似ている。

今回知ったこと。
ダイナモって、この撤退作戦のことだったんだ。
この親子と、友人のジョージ、気骨があって素晴らしい。

観るまでは、戦勝国側の映画は辛いなあという気持ちがあったが、観終わってみると、やっぱりちょっと悲しい。
だが、それはラストのみで、全編そういう気分になることはなかった。
むしろ、この気質が羨ましく、生まれ変わったらイギリス人がいいなと。普段はばらばらなのに、ピンチになると団結して事に当たれる、なにを差し置いても、それが優先であると皆信じている。
観終わったときの気持ちは、「英国王のスピーチ」とほぼ同じ。


空を縦横無尽に駆け抜けるスピットファイヤー!
この飛行機が主人公かな。

海も空も陸もノーランカラーに染まって、長い長い100分だった。
また観よう。
今年のナンバー1。
と思うけど、まだホドロフスキー始まってないなあ。 

2017年10月12日木曜日

■両国寄席■10月9日五代目円楽追善興行■主任萬橘

あわわわ〜
なんと!
4月の朝橘真打昇進以来の寄席。
聴きたいと思い焦がれていた萬橘の「死神」なのである。 
             ↑菊春の代打ちで小歌師匠。
ちょっと遅れていったので、仲入りくらいからだったかな。
母心が大いにウケて、ちょっとばっかり落ち込み気味の萬橘の枕。
噺家に向いていないんじゃないか、という自虐ネタだったけど、噺が始まるやいなや、、、、すごっ。
ってこんな書き方すると落語通には馬鹿にされるな、ははは。
いや、なんというか、聴きたかっただけのことはある!
これほどとは。
いままで聴いたどの死神よりも、主人公の死神がおっかないのだ。
萬橘のひとりひとりの登場人物の描き分け、この世のものと、そうでないものの、違い。鬱蒼としている死神の風体。
追い詰められた人間の捨て鉢な雰囲気。
わかる、この気持ち、といっとき共感させるのだが、そこにとどまらず、すぐ次の展開へもっていく運びの良さ。
抜群のテンポ、間合い。
そう、間。
あの間は、言葉で言い表せない。
聴いてみて確かめるしかない。

いつぞや、広瀬さんが、萬橘さんの死神は鬼気迫るといっていたが、ほんとうだ。
あまり鬼気迫るという言い方は好きじゃないのだが(昔散々使ったので、いま、思い返して恥ずかしいので好きじゃない^^;)、ぐっとくる表現だなあ。 
今年のうちにもう一回くらい、萬橘聴きにいきたい♪