2015年8月19日水曜日

歌麿をめぐる五人の女 本家溝口版。田中絹代の壮絶なる演技の力

神保町シアターにて、鑑賞。
いやもう、実に素晴らしいの一語に尽きる!!
白黒画面というのに、衣裳の豪華絢爛さ、センスの良さが、充分に堪能できる。
そして、戦後の開放感。
よくぞまあ、これだけの衣装を!
映画人の情熱を存分に味わう。熱さがおいしい♪

1946(昭和21)年、溝口健二監督作品。
坂東簑助、田中絹代。


五人というのは、田中絹代のおきた、お蘭、雪枝、誰が袖太夫、あとひとりは、弟子の竹麿と夫婦になるおしん、で、いいのかな。



冒頭、花魁道中。
そうか、こんな感じだったのか。
なんというか、戦後の再現にもかかわらず、リアルである。


版元、水茶屋、売れっ子女郎、お茶っぴき、一目でわかるのは、溝口監督のこだわりが随所にあるからなんだろうか。


歌麿とおきたの、ぐちゃぐちゃと素直でない、只ならぬ雰囲気は、緊迫感がある。
ラスト近くの田中絹代の攻めの演技に対して、抑えざるをえない歌麿の簑助の苦悩の混ざる演技。
このブログを始めてからまだ一度も使っていない、よく演技を褒めるいい方をしてみたい。

鬼気迫る演技を観させていただいた!

ほんとうに、ひさしぶり。

もう、この言い回しを使う機会はないだろうと。

こんどは新しい映画で言ってみたいな、鬼気迫る演技、と。
いわしてちょうだい、園子温。

で、もどろう。
溝口と田中絹代の付き合い方は、このような、意地の張り合いだったのだろうか。
それだと、本人同士は刺激があっていいだろうが、周りは苦労したんじゃないかなあ。
ふと、フェリーニと、ジュリエッタ・マシーニのセビリアの夜を想ってみたり。。。

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