音楽が岡田徹さんですからっ
歌ってるのは佐藤奈々子さんですからっ
ということで、ようよういってまいった。
ふきげんな過去
監督・脚本:前田司郎
音楽:岡田徹
ムーンライダーズの誰かが音楽を担当している映画の際は、目よりも耳が必死になる。
一音すらも聞き落としたくない。
豆を剥く音、聞こえない諍いの音、そう、聞き取れない効果音ですらも聴きたいのである。
効果音や散りばめられた騒音は、担当とは違うんだろうけど。。。。
ロケ地がうれしい。
北品川のあの「幕末太陽傳」でフランキー堺が駆け抜けた街道、
駅前の、コーヒーが天下一品のルアン。
ルアンは、女優さんのエプロンまでそのまま。
そして、高良健吾が座っているカウンターは、ときどき座っていたりする♪
ルアンを出て、左後ろの道はいかにもな場末のスナック街。
二階堂ふみが歩くと、妙に溶け込んで、大森高校の高校生のようだ。セリフもないシーン、うまい女優さんである。
ハードボイルドな描き方をすれば、そうなる。
が、しない。
ミステリアスな描き方の高良健吾ですら、そうならない。
つげ義春の鳥男みたいな高良健吾。
1,2度、とてもびっくりするが、あとは淡々と。なかなか厳しいことが次々持ち上がっているにも関わらず。
音と画面が密接に絡み合う。
だからだろうか、まったくメロディがないところでも、旋律が聴こえてくるような。
小泉今日子は、かなり地に近い役柄か。
はまってた。
とりあえず、この辺で。
再来週はヘイル・シーザー。
2016年アイルランド
監督:ジョン・カーニー
「シング・ストリート 未来へのうた」こっちもがんばった。
近頃、二本立て上映だと、滅多に二本は観ないようにしている。
ずっと座りっぱなしというのは、映画が面白いときはいいが、そうではないと、集中力がなくなり、悲惨なことになる。
平日月曜日というのに、混んでるキネカ大森。
もしかしたら、最近、前よりも入りがよくなったのでは。
数人で観た記憶がいつだったか、思い出せない。
ううん、アイルランドの少年たちが途方もなくかわいい♪
ヒロインのラフィーネは声がチャーミング。
あちらの女の子は大人っぽい。
とても10代には見えない。
ひきかえ、少年は高校生の設定なのに、幼い。
ストリート・オーケストラと同じく音楽にまつわる物語。
こちらは、1980年代のヒット曲がふんだんに流れる。
pop musicが流れたときはうっかりして、歌ってしまい、ワンコーラス多く口ずさんでいたので、場内にばれてしまった。
デュランデュラン、スパンダー・バレーなど、元祖ビジュアル系のほか、オリジナル曲もたくさん。
バラードは泣けた。
主人公の少年コナー(のちにコズモ)がどんどんクールな当時のファッションになり垢抜けていく。
それはもう、楽しい。
これ以上は書けないかなあ。
不況にあえぐアイルランドでにっちもさっちもいかない子どもたち。
ブラジルのスラム街で辛苦を舐める子どもたち。
物質的にはアイルランドのほうが、豊かではあるが、出口なしのトンネルにいるのはどちらも同じ。
コナーと仲良くなるギターの少年もさらさらっとした雰囲気でよかった。
2015年ブラジル
監督:セルジオ・マシャード
「ストリート・オーケストラ」
本日鑑賞。
「シング・ストリート」との二本立て。
タイトルが混ざるためなのか、ときおり話が混ざってしまいそうになるという困り者。。。おまけに映画好きなら混同も仕方ないというような共通点も幾つかあり、ますます。
そういえば、このブログ、今年初。
元日に「シン・ゴジラ」を憧れの蒲田宝塚でようよう観たのだが、三回目となると、ちょっとブログは控えた。
三回見てもぜんぜん飽きない。
むしろ深まり、次のゴジラはいつ公開かなあと待ち遠しい。
もちろん、2016年ベスト1は「シン・ゴジラ」
さて、またもマクラがだらだらと、、、
ブラジルの映画って、あまり観たことがなかった。
なぜ、観る気になったか。
そう、オーケストラものだったから。
どうも、オーケストラ絡みのものに弱い。
クラシックががんがん流れる魅力には抗いがたいのである。
今回もバッハ、パガニーニ、ヴィヴァルディなどふんだんに。
曲がながれないベートーベンの第九のCD、なんていうエッセンスも洒落てる。
ラップや街のざわめき、どこをとっても音がちりばめられているという贅沢さ。
真向き。
子どもたちは、まったくもって子どもとは思えない苦労を強いられている。
ブラジルのスラムってこうも苛酷なのか。
なぜ、そういう仕組みになるのか。
上が下を搾取するから。
それだけのことで、こうもひどいことになるとは。
あれこれとても辛いのだ。
たとえば、欠席理由とか、楽器を持ってしっかり立てない理由とか。
こういう暮らしだから、あのリオのオリンピックの時は警察が街を綺麗にするという理由で、子どもを撃ったんだなあ。
実話ベースの話。
ひとひねりスパイスが効いていてよかったのは、はじめから強い先生ではなくて、徐々になっていくところ。
むしろ、先生が救われていく。
あ、ネタバレになってきたから、やめよう。
主演のラザロ・ハーモスがさすがうまい。
日本では知られていないが、本国では大物俳優だとか。
そうだろうなあ。
監督に最初で最後のお願い、と頼み込んだとかで、もともとのキャスティングでは主人公を支える親友役だったらしい。
ラッパーのRappin' Hood、ラップは聴かないのでよくわからないのだが、素晴らしい。言葉はわからないが、魂を鷲掴みされてしまうような歌。
すべての国のスラム街が、いつかなくなるといい。
と、まとまりがないが、ここらへんで。
おまけ↑