マーチン・スコセッシ監督の集大成ともいえそうな重厚な作品。
監督:マーチン・スコセッシ
アメリカ映画 2016年
これ、アメリカの監督が撮ってる、日本の歴史の物語だよねえ、と、脳内で何度か確認した。
つまり、とても自然で後半にいたるまで、違和感がなかった。
が、主人公ロドリゴが捕らえられ牢獄に繋がれるあたりから、あれ???となった。
なんで、奉行所の真ん中に吹きっさらしの牢屋が?しかも白木の檜のような綺麗な色の獄舎。
雰囲気的には真っ白な六角堂みたいなものが、庭の真ん中にある感じ。
ううん、どうなのかなあ。
これが、海岸の岸壁を利用した牢屋とかなら、リアルなんだけど、、、惜しい。やはり、スコセッシといえども、自分の西洋的な感覚のほうを重視してしまうのか。
どうもこのあたりから、若干監督の意気が下がったんだろうか。
終わりあたりにも、変かなというシーンがあったりした。
浅野忠信の役は当初渡辺謙で、スケジュールがあわず、降板したとか。浅野忠信のほうが、役柄に合ってると感じる。
以前日本で映画化されたときの、じいさまは加藤嘉とある。
こたびは笈田ヨシ。不思議なもので鑑賞中、この人がでてくると、しきりと加藤嘉が思い出されてならなかった。
窪塚洋介のキチジロウは圧巻の存在感。
ユダのような、キリストのような、人物。
遠藤周作は自分をモデルにしたと言っていたらしい。
塚本晋也。スコセッシの映画にでたくて、オーディションを受けたそうだ。
そのとき、「あのツカモトか?」と、監督が尋ねてきたとか。
宗教とは、生きるとは、命とは、、、ずうんと思考をする作品。
あともうひとつ。
日本の宗教は仏教だけではない。
八百万の神々がいる。
とかいいつつ、ふだん、そういうことはあまり考えることなく、暮らしているが、、、^^;