2015年5月31日日曜日

6才のボクが、大人になるまで。 タイトルをきちんと覚えるのがむずかしい

2014年アメリカの作品。
監督・脚本はリチャード・リンクレイター。
原題はBoyhood(少年時代)。

あちこちで話題になっているが、6才の少年が18才の大人になるまでを、12年間にわたって制作するという、前代未聞の映画。

みるまで、それって、どうなの?というような、半信半疑な気持ちありつつだったのだが、みおわっての気分は、なかなか一言で言い表すことができない。
とても貴重な映像体験である。
2時間半という、映画としてはじゃっかん長い時間だが、12年間、ということを考えると、それはほんの一瞬、まばたきみたいな時間だ。
場面が切り替わるたび、大きくなっていくメイソン(エラー・コルトレーン)とサマンサ(ローレライ・リンクレーター;監督の娘)。
それがずっと同じ役者さん、というのは、実に不思議な感覚なんだなあ。
タイムスリップしてしまったような。
ちょっとずつ、ドラえもんの引き出しで時間移動をしたような。。。
あれ?いま、ドキュメンタリー映画、みてんだったっけ?
なんてふうに感じたことも1度や2度じゃなかった。
だって、かわいい男の子が2時間半後に、それはそれは、イケメンに成長してしまう映画なんて、いままでなかったでしょ?

そうか、わかった。
たとえば、ノーラン様のインターステラーでは、マシュー・マコノヒーは変わらないが、地上で待つ娘役は時間の経過に伴い、3人の役者が演じている。
それが、映画の普通。
で、このたびの「6才のボクが、大人になるまで」は、4人の家族がずっと同じ役者。変わることなく演じる12年間。
役者が変わっていくことになんら違和感を覚えることなく、いままでずっと、映画をみてきた。
その固定観念をぶっ飛ばされた、だって、目の前で同じ役者がだんだんと年を重ねていくのだ。
これが驚きでなくて、なんであろうか???

すっかり有名になってしまったファーストシーンにコールドプレイのイエローが重なる。

このはじまりが、レオンのエンディングのスティングにかぶり、端からわくわくした。
かわいいメイソンと、かっこいいパパ、イーサン・ホーク。
ハリウッドって、契約期間は最長で7年なんだとか。
4人共、後半は契約が切れている状態で撮影していたらしい。
男の子の単純明快さが、よく表現されてるシーン♪
風来坊でやさしい、やや軽めなところが、ママと合わない、パパ。
おばあちゃん役の人は、さすがに変わっているんだろうなあ。
ママ(パトリシア・アークエット)はアカデミー賞を取った。
実はこのひとが主役ともいえる。
メイソンの成長ぶり。
ため息でそう。

2015年5月21日木曜日

馬々と人間たち 優雅でしたたかに強さをひめたアイスランドの人々

アイスランド、2014年作品。
監督 : ベネディクト・エルリングソン。 

もちろん!
アイスランド映画は初見。

なるほどなあ。
強い人々は、しっかりと地面に足をどっかとおろして、腰を据えて暮らしている。
ご近所の動きは逐一みんなが知っている。
ちょっとまえの日本みたい。
そう、日本中どこも以前はこんなふうだったよね。
いつの間に、どの集落も、個々の暮らしに首をつっこまなくなったんだろうなあ。それはそれで、楽といえば楽だけど、なんていうか、そうねえ、ひとって、ひとりで生きてくの難しいじゃない?そこらへんの答えが、この作品にあるような気がした。

平和な映画かとおもいきや、悲惨な出来事もあったりする。
自然の苛酷さは、東京ぐらしには、伺うすべもない。
夜がどれほど寒いのか、とか、飼っている馬についての、暗黙の掟とか。


舗装されていない道路で、交通手段が馬だったり。
道をなにかで固めて移動しやすくするなんて、やればできるわけで、やらないってことは、アイスランドの人々が、必要以上の文明はいらないと、自分たちで選んでいるってことなんだろう、おそらく。
あれくらいの生活環境に戻りたいものだ。
だって、トラクターとか車とか観光バスとか、いちおうあっても、それより馬のほうが便利とは、なんて楽しいんだろう。
ふと、祖父の時代の東京の景色を想像してみるのである。
なんでもうちの祖父は関東大震災のあたりには、森永の赤馬車というものに乗って、それはそれは、女の人にうっとりされていたのだそうだ。
馬にひゅいんと鞭を打つ姿も、キュンキュンものだったのかな?
と、話がそれてしまった。

幾つかの話が交差するが、メインのストーリーはひとつ。
その話のみ、結末が用意されている。

脇役のヨハンナ (女優さんの名前がわかりません('_'))はとても美しく、勇ましく、工夫、判断力にすぐれていて、惚れる。
日舞の近江のお兼のよう。
ツーリストの男の子が、「運命の人」とつぶやくのが、なんだか自分がいっている気分になった。
あのふたりの顛末がしりたい。
 

2015年5月18日月曜日

バットマン ダークナイト 我がクリストファー・ノーラン様♪

2008年アメリカ・イギリス共作。
バットマン3部作のうち、第2部。
監督は、前作に続き、我がクリストファー・ノーラン様。

えー、故あって、こたびより、クリストファー・ノーラン監督のことは必ずや様とお呼びすることとした。
わたくしが今日このようにあるのも、みな、ひとえに、クリストファー・ノーラン様のおかげであるm(__)m 

さて、DVDにて鑑賞。
まずは、おもしろかった!
そして、興行収入第一目的の娯楽作品であっても、ノーラン様のカラーは変わらず、インターステラーにあった、圧倒的に美しく、さらに、さみしいような苦しいような、それでいて、どこか人を求めているような雰囲気は共通だ。

冒頭の銀行襲撃で、ライフルで戦う勇敢な支店長 ウィリアム・フィクナー 。実はこのひとが、最初にハービー・デントにキャスティングされていたのだそうだ。素敵だなあと思っていたら、すぐいなくなっちゃって、なんだ端役だったのか、と、がっかりしてたら、そういうことだったんだなあと。
アーロン・エッカート(ハービー)は善人と悪人を見事に演じ分けていて、素晴らしかったが、ウィリアム・フィクナーだったら、また、別な味わいがあって、さぞ、よかったろう。ぜひ、みたかった。

バトラー、マイケル・ケイン。
もうひとり、モーガン・フリーマンもよい。

ジョーカーのヒース・レジャーって。。。
この映画が遺作とか。
そういえば、公開当時、それがPRのひとつになっていたような。
映画の中でしか、息ができないような、役者って、必ずいる。
そこまで自分を追い込んで、演技する。
これだけやれたら、本望だろう。
インターステラーがこのひとだったら、どうだったのかな?


あくまでもダークなヒーロー、バットマン。
ゴッサム・シティの守護神。
ふつうに、怪我すると痛い人間なんだよね。
ウルトラマンとか、仮面ライダーみたいな、超人ではない。
そこが、物哀しいのかなあ。。。。


 

2015年5月6日水曜日

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア 吸血鬼の暮らしがドキュメンタリータッチで!

監督・脚本のタイカ・ワイティティ 、ジェマイン・クレメントは共に出演もしている。
タイカ・ワイティティは、ハンサムだけど、ちょいずれの主人公役。
ジェマイン・クレメントはイメージぴったりの串刺公。

 

2014年ニュージーランド作品。

そういえば、このごろは、映画大国ではない国の映画を鑑賞する機会が増えてきた。
これって、たまたま、いきつけの映画館のチョイスによるものか、世界でそういう動きが高まってきているのか、どちらだろう?

ハリウッド、もっとがんばれ~~。
観る気にさせる映画作って~~。

おもしろい。
フェイク・ドキュメンタリーという手法。
たしかに、いままで、ありそうでなかった、多分。

喧嘩になると、すっと体が浮いてしまったり、うっかり襲った人間の大動脈を噛んで、ただ血だらけになって、味わえなかったりと、けっこう、人間味あふれるというか、ドジだったり、感情的だったりする、ヴァンパイヤの暮らしぶりがおもしろい。
ドキュメンタリータッチながら、しっかりとストーリーもあり、よく練られた脚本ではないかな。

けっこうふつーなのに、微笑むと牙がにゅっと表れる。
細かいところで、ほら、人じゃないでしょ、と、伝えてくる。
鏡が見れなくて不便そう。

この会の後は、併映のロッキー・ホラー・ショーが大騒ぎ上映会とあって、付け足し扱いの雰囲気だったが、大受けで立ち見もでていた。


8000歳の吸血鬼というと、AD何年から存在するのだろう?
計算がむずかしい。



タイカ・ワイティティ、次回作はディズニー映画の脚本とあった。
気になる。




ロッキー・ホラー・ショー 当時衝撃を受けすぎたのか、ストーリーがあったなんて、記憶にない

1975年、イギリス映画。
もともとは、リチャード・オブライエン原作の舞台が映画化されたもの。
って、いちいち書くとそんなことわかりきってる!と、熱狂的ファンに怒られそう。
とりあえず、でも、監督がジム・シャーマンってことは抑えさせていただき。


これがねえ。
初めてみたときは、すでにカルトムービーだったんだな。
まあとにかくってんで、みてみてびっくり。
こんな衝撃的なものは、それまでみたことなかった。
ティム・カリーの破れた網タイツとボンテージな出で立ち。
対照的なスーザン・サランドンの清潔なワンピース、カーディガン、ネックレス、ヘアスタイル。
のちに、ずぶ濡れという理由で剥かれちゃうけど。

今回久しぶりに鑑賞して、さらに驚いた!
ロッキー・ホラー・ショーって、ストーリーがあったのね!!
ミュージカルだったのは、ちゃんと憶えてた。
だけど、こういう破壊的な物語だったのは、まったく記憶にない。
きっと、映像があまりにもぶっ飛んでいたため、脳がストーリーを消去してしまったんだろう。

それほどすごい映画、ロッキー・ホラー・ショー。

この日は最終回が大騒ぎ上映会ということで、なんだか劇場側もかなり、そわそわしてる。
いったのは、最終ふたつまえ。
で、時を経ても相変わらずの破壊力のため、どうしようかなと迷っていた「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイヤ」も、すっかり頭がイカれてしまったため、勢いで見てしまった。
これもなかなかなものだが、やはり、ロッキー・ホラー・ショーの前座だね。
ロッキー・ホラー・ショーの前にも後ろにも、ロッキー・ホラー・ショーに勝てるカルトムービーは存在しない。
これからも、王座は変わりはしないだろう。

にしても、ファンクラブの方とか、いろいろいらして、自転車でひゅーの当方は、かなりの浮き方なのであった。
やっぱ、最低網タイツは履いとくべき♪