2023年4月23日日曜日

*カラヴァッジョ*ヘビーだった観てよかった

1986年 イギリス映画 
監督:デレク・ジャーマン
主演:ナイジェル・テリー、ティルダ・スウィントン
テアトル系開催中の12ヶ月のシネマリレーのうちの1本。
リレーが中途で度々上映されなくなり、一体どうなっちゃうんだ?と気を揉んでいたところ、漸くキネカ大森にやってきた。
で、これはラインナップ中の迷いの1本だったが、リレー再開をかなり待ったことではあるし、 観ておこう、となり。
結果、大変キツめの作品だったが、決心してよかった。    
 
カラヴァッジョの制作風景がなかなかに凝っていて、それでいて少々の違和感もあり不思議。
モデルと背景は驚くほど作品そのものだが、なぜなのか、まだ下絵だから、という意味なのだろうか、監督の考えによるものか、描いているキャンバスの絵は全体にひたすら黒いか、赤黒く、ぎこちない。弟子のエルサレムが擂鉢でごりごりやっている赤い色とも少し違う濁ったような黒と赤の色。
そうした中で、地上に降りたアモーレだけは作品が登場している。はっきりとした制作風景はない。制作がもう終わったのかな、というような情景が映しだされている。
 
身分制度の中で人々が生きていた時代。それがいいのかよくないのか。
やんちゃをして、絵を描いて、褒められたり叩かれたりしながら、生きていたカラヴァッジョ。もっと、破天荒なひとだったんだろうという気がしてならない。
ティルダ・スウィントン、綺麗。なんて繊細な演技をするんだろう。あれ、デッド・ドント・ダイと比べると随分違う。こっちのほうが断然よい。

2023年4月13日木曜日

*ラストエンペラー*みなさんと教授の死を悼み

前回鑑賞後、あまり日が経っていない。
ブログ記事もわずかに前々回、、、
急遽キネカ大森さんは再上映ということで、やっぱりそこは行かなくてはいけない!ということで足を運ぶ。
たくさんの、観なきゃいけない!人々が席に座っていた。
教授、いっぱいいるよ〜〜〜
みなさんとお葬式させていただくね。
 
それで、ラストエンペラーは3回目だけど、厚い。すごいや、ベルトルッチ。ネットで読んだけど、この映画の撮影中、毎日モリコーネがベルトルッチに俺にやらせろ!って電話をかけていたんだとか。それはそれで、映画史に残るものになっていたに違いない。ちょっと観たかったなとこの期に及んで思ってしまうのは映画好きの業かも。
 
薄い布、おもに薄い絹が多用されていることに改めて気づく。
溥儀は何度も叫ぶ。オープンザドア と。
一度も扉は開くことがなかった。
重い扉、薄い布。どちらも溥儀の立場を表しているのか。。。不自由で気の毒。甘粕に利用され、どんどん孤独になっていく。
 
ハリウッド映画とは趣きの異なる繊細な運びがうれしい。
王朝絵巻の舞台劇のような豪華さに目を奪われる。
それで、ひとつ見つけちゃった。
結婚式のシーン。よろって。あれ、どうして撮り直さなかったんだろう。一発撮りって決まっていたのかな。あそこをもう一度となると、相当費用が嵩みそうではある。そこ含めて好き。
 
教授はきっと甘粕役、楽しかったんだろう。悪役って面白そう。
だけど、ベルトルッチは人が悪い。
話を戻すけど、教授に音楽を依頼したのは、出演が終わってからで。
しかも1週間で仕上げてほしいと言ったとか。とても無理なところをどうにか2週間で作ったんだとか。どっちも巨人。
 
撮ろうとしたら、スタッフさんが親切にも場所をあけてくださった 

追;終映後、片桐はいりさんが箒とちりとりを持ってお掃除していらしたので、少しお話させていただいた♪