1953年溝口健二監督作品。
撮影は宮川一夫。
ハリウッド映画にしても、邦画にしても、昔の女優さんは、なぜこうも、画面が匂い立つような美しさを持ちえるのか?
そして、それぞれの女優さんがまったく一様ではなく、しっかりと個性がある。画一的な美ではないのだ!
いまの女優さんには残念ながらない、優雅さ、エレガントさ。
手、肩の動きのしなやかさ、腰つきの下品ではない色っぽさ。
電車で平気で化粧しちゃういまどきの日本人女子とおなじ民族なのかと、いぶかってしまう。
田中絹代はすばらしい。
このころは溝口健二とは、すでに好い仲だったのか?
そんなことはどうでもいいが、やはり、女優陣の中で抜群に光る。
そうそう、平和島に天仲という老舗の天麩羅屋がある。
蒲田に松竹撮影所があったころ、溝口健二と田中絹代の連絡所だったそうだ。
そのころつとめていたという女性に、ずいぶん昔にちらっときいた。
携帯電話がなかったころって、ロマンチック。
逢引がなかなかおもうようにならないって、もどかしいけど、わくわくしちゃう。
みんなが、それに加担して、ちょっとしたチームみたい。
会えた時のうれしさはいまどきのデートの百倍きらきらしていたかもしれない。
って、かなり映画から逸脱した。
白黒画面はときどき眠くなる。
かなしいかな、天然色をみすぎたからなのか。
いままで眠くならなかったのは成瀬巳喜男の浮雲、フェリーニの道。テキサスの五人の仲間。
今回雨月物語は自分の教養の無さをさらけだすようで嫌だけど、数分だるくなった。寝ちゃう、ということはなかったが。。。。
それにしても、深い物語。
いまの女の人だったら、こういう男の人の願望をちゃんときいてあげられるかな。無理だろうなあ。
たぶん、だったら、好きにすればって、匙投げて、でていってしまうんだろう。
ああ、日本の慎ましやかな女性はいずこへ。。。。。
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